「知ること」と「愛すること」

こんにちは、山田風音(かずね)です。名古屋は例年よりも涼しい9月に感じます。体の緊張がゆるんだのか、少し風邪を引いてしまいました。ただ、台風や地震等で生活に大きな影響を受けている方々もおられることを覚えます。微力ですが祈りつつ、何がさせていただけるか心を配っています。
最近、個人的に近しい方からご依頼をいただきインタビューをさせていただいています。とても大きな事業を経営しておられ、人脈もたくさんお持ちの方でいわゆる「やり手」として見られている方です。私もこれまで身近に接する機会が多く、一緒にお仕事をさせていただくこともありました。「よく知っている人のインタビュー」ということであまり緊張もせずに臨みました。

しかしその半生を時間をかけてじっくりうかがう中で、私も含め周りの人々がその方に対して漠然と抱いているイメージや印象がいかに表面的なものであったかがよくわかりました。ご本人もおっしゃっておられました。「成功してからの私しか知らない人々が多くて、苦労を知らないとかバリバリ仕事だけで上がってきた人だと言われることも多い。でも、決してそうではない。こうして改めて自分の半生を聞いてもらって、改めて自分がどれほど混とんとして大変な中からここまで救い出され回復されてきたかが実感することができた。」それはご自身だけではなく、聞き手の私も同じです。その方の普段語られることのない半生を丁寧に紐解いて初めて、その方の「いま」が鮮やかに驚きをもって目の前に開かれる、そんな思いがしました。
今までもよく知っていたはずの人です。でも、その表面しか知らなかったのだと実感させられました。いや、もしかしたら知ろうとしていなかったのかもしれません。このような機会をいただいて更にその方を知ることで、その方が今自分の目の前に座っていることの不思議や一種の畏怖の念をすら感じました。
誰かのことを「知ること」とその人を「愛すること」は聖書の世界観では表裏一体です。知識としてはずっと知っているつもりだった、でもこのライフストーラー企画の仕事を通して他者を知るということの意味を私自身が更に深く深く体験させられています。まだまだスタートアップの個人事業で経営的には前途多難です。でもこういうかけがえのないお一人お一人の人生に触れる機会が与えられている、それだけで「この仕事を始めてよかった」と感じています。
皆様のライフストーリーの聞き手としてお役に立てるよう、これからも柔軟な心と態度でお一人お一人と誠実に丁寧に向き合わせていただければ幸いです。
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