自伝か? 他伝か? ちいろば先生の例

ライフストーラー企画の山田風音(かずね)です。まだまだ残暑厳しいですが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 私はこの残暑の中でも現在取り組んでいるプロジェクトの最後の仕上げや新規の取材の準備など、奔走させていただいております(クーラーの効いた部屋の中で)。

さて、「ちいろば先生」こと、榎本保朗牧師のことは皆様ご存知でしょうか? アシュラム運動の創始者としても知られており、52年の生涯を全力で走り切った熱血牧師です。三浦綾子さんが「ちいろば先生物語」というタイトルで小説として取り上げ、教会の中だけでなく広く日本中に知られることになりました。この度、榎本先生のご関係の方からお問い合わせをいただいて少し色々読んでいます。

実は榎本先生は生前にご自身の歩みをまとめて「ちいろば」と「ちいろば余滴」という二冊の自伝を出しています。そこでは終戦後に虚無感の中で満州から引き揚げてきた榎本先生が、どのように同志社大学へ進み、神学生として教会学校を始めたか、ご自身の言葉で綴られています。実にこの本はたくさんの人に読まれ、影響を与えたとのことです。ご本人の視点ということで、榎本先生の考え方や人となりを感じることができる「自伝」となっています。

一方の三浦綾子さんの「ちいろば先生物語」は榎本保朗先生ご本人の死後、入念な取材や資料調査をもとに書かれた小説であり、「他伝」と言える作品です。「自伝」と比較して大きく違うのは、まず出生から満州で終戦を迎えるまでの半生が丁寧に描かれているという点です。幼少期からの真浄尼との関りからは宗門こそ違えその後の榎本氏の宗教性の原点のようなものが感じられます。また、カトリックの神学生で満州に徴兵され、榎本と戦友であった奥村との出会いはやはり自伝では触れられていないものの、榎本氏の入信や献身にとってとても大きな影響を与えたことがうかがえる。

「自伝」か「他伝」か? 皆様が自分史を残そう、取り組もうと思われる際に大切な視点となることと思います。どちらもそれぞれ良さがあり、またかかる時間やエネルギー、費用等も異なります。ただ、どちらにも共通して言えることは、ご自身の歩みを「残す」ことが本人のためにも周りの人々のためにも意義深い営みであるということでしょう。

ライフストーラー企画では「自伝」の編集や公正、出版支援から「他伝」としてのインタビュー取材まで幅広くサポートいたします! とにかく皆様の歩みが形となりご自身の振り返りのために、またご家族のために、また伝道のために用いられることを願っています。クリスチャン「なのに」自分史?ではなく、クリスチャン「だからこそ」自分史! 皆様のお役に立てるよう、そしてちいろばのように主のお役に立てる一冊をつくるべく、これからも一生懸命取り組んでまいります!

今日もここまで目を通していただきありがとうございました! 皆様の上に主の豊かな祝福がありますように!

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。